建築人間として

とある施設から「流し部分の内装工事を見てほしい。」との事

 

現場に行ってみると・・・

一見普通の流しで、新しい流しといった印象。

 

別業者で流しを交換したとの事。

流しの脇はビニールクロスがパリパリになり腐食している様子。

 

コーキングもしてないのか?

 

初見は洗い物をしたときにはじけた水滴が原因かなと・・・

内装工事の下準備のため、流しを一時的に取外し、下地を確認することに。

 

ところが、想像以上の腐食が。

 

クロスの裏側では木部、プラスタ―もひどい湿気で腐食が進んでカビだらけ。

 

明らかに洗い物をしたときの水滴ではない様子。

 

施設担当者に交換前のキッチンの様子を聞くと、シンク下の収納の床が腐食してしまい交換したとのこと。

 

本当の原因はすぐわかりました。

 

スラブ貫通している給水排水から暖かい湿った空気がほんわり。

 

ピット内の湿気が、流し下部を腐らせ、壁のプラスタ―を湿らせ、壁のクロスを腐食させていました。

 

原因が解ったところで、適切な処置を検討へ。

今回は、

 

隙間は断熱材を充填し、小さい隙間にはウレタンを発泡し隙間をなくします。

 

断熱することで室内が冷えた時の結露も防げます。

 

見た目は以前とまったく変わらないですが、

 

流しは長持ち、壁のクロスは腐食しなくなります。

今回なにより残念だったのが、

 

流しを交換する際に、

 

「何でこんなに腐食しているのだろう?」

 

「原因はどこにあるのだろう?」と思わなかった事。

 

建築に携わる人間に一番重要な部分だったのかもしれません。

 

気づき、考え、行動する。

 

これから、内装工事へと進んで行きます。